ニュース&トピックス

吉野家店舗のCORO食器洗浄工程導入について(作業空間の共用、COROの印象、結論)

●作業空間の共用
店舗は狭いため、工場のように従業員とロボットの作業空間を分ける事ができません。
つまり、従業員とロボットの作業空間を共有させる必要があります。
この概念の実現は、極めて重要です。

安全に関する基本的な考え方として
「ISO 10218に書かれているように、人とロボットは安全柵で隔離する」
です。

協働ロボットという概念が誕生しましたが、
「安全柵を無くし、人とロボットが近くで協働するが、人の作業空間とロボットの作業空間は共有させない」
という考え方が一般的です。
この理由は、
・人が並んで作業する場合でも、衝突リスク(怪我)を低減するために作業空間は共有しない
・本質的に肘のあるロボットは危険であり、リスクアセスメントの結果、残留リスクを放置できない
となるからです。

しかし、今回の対象となる店舗のような狭い空間では、人とロボットの作業空間を別にすることが不可能です。
そこで、人とロボットの作業空間を共有する事が必須となります。

人と人が作業空間を共有することですらリスクがあるのに、
人とロボットが作業空間を共有することは極めてリスクが高くなります。
そこで、
トランスパンダーの導入による肘関節の削除が必須となるだけでなく
新規開発を含めた様々な安全技術を導入することで、
現場導入可能な程度までリスク低減を実施しました。

研究室での実験レベルではなく、
実際の現場で、人とロボットが作業空間を共有する事例は、世界初となります。

●COROの印象
COROは、垂直多関節と比較して、同じ手先軌道を実現しても、動きがシンプルとなります。
このため、垂直多関節だと多くの関節が無駄にビュンビュン動くので、パッと見、速く動いているように見えます。
COROは、多くの関節があまり動かないので、パッと見、遅く動いているように見えます。

これが、多くの方がCOROの動きをみて、パッとしないな、予想以上に遅いな、凄くないな、となるのです。

●結論
CORO以外のロボットでは、導入すらできなかった狭い外食店舗に、
世界に先駆けて導入したということが、重要なポイントとなります。
何故、COROなのか?は、世界で唯一肘の無い協働ロボットだから、です。
さらに、リスクアセスメントを実施しても、他のロボットよりリスクが低く、
導入が容易となっている点も大切なことです。

PAGE TOP