代表の尹です。
2017年3月27日にライフロボティクスのCOROが吉野家の店舗において
食器洗浄工程に導入された内容のプレスリリースを発信しました。
多くのメディアに取り上げて頂いた結果、
一般の方が動画を見て、何が凄いんだ?との反応になるだろう、
と予測してましたが、その通りの反応が多数ありました。
ここでは、今回の取り組みについて技術的視点も含めて解説したいと思います。
●目的
吉野家を含め、外食店舗で厨房は極めて狭いです。
飲食店において必ず発生するのが食器洗いです。
食器洗いでは、お客様の食べ残しなどにより食器が汚れているので、
それを手で触って綺麗に洗うという行為自体、世界中で多くの人に嫌われています。
一般的な食器洗浄機の場合、
1. 食器の予洗いのため、食器を洗浄液に浸漬(しんせき)する
2. 空きスペースにラックを置く
3. 洗浄液の中に手を突っ込み、食器を拾い上げ、ラックに食器を並べる(並べ方により汚れ落ちが代わるので、上手く置くことが大切)
4. 食洗機のカバーを上に動かして開ける
5. ラックを食洗機の中に移動させて、カバーを下ろして食洗機をスタートする
6. 食洗機が停止したら、カバーを上に動かして、ラックを食洗機の中から移動させて、空きスペースに置く
7. ラックから食器を取り出し、食器を種類ごとに仕分けし、指定の場所に格納する
となります。
特に、3の洗浄液の中に手を突っ込むのは、
・なんとなく気持ち悪いと感じる
・屈む必要があるため腰や肩に大きな負担が生じる
・万が一食器が欠けていたり割れていたりすると手に怪我をする
・手荒れがひどくなる
となります。
さらに、1日1,300個の食器を洗うということは、1,300回洗浄液の中に手を入れるということなので
1日に1,300回、気持ち悪いな、屈むの辛いな、手を怪我するかも・怪我した、手荒れがひどくなる
となります。
これはかなり精神的にも、身体的にも辛いことです。
さらに、吉野家では2.5時間としていますが、これは連続した2.5時間ではなく
接客や調理の合間に発生する食器洗浄作業を足した時間なのです。
この不連続で、不定期に発生する作業が、非常に作業効率を低下させるのです。
食器洗浄工程の自動化は、このような大きな作業負担を軽減することであり、
職場環境の向上だけでなく、生産性向上にも繋がるため
作業員にとっても、店舗運営にとってもメリットがあります。
●問題点
では、何故、多くの人が、日本はロボット大国で、たくさん普及していると思っているのに
今まで外食店舗にはロボットが導入されていなかったのでしょうか?
次回のブログでは、垂直多関節、スカラ、パラレル、3種類のロボットについて考えてみます。